附属高等学校天王寺校舎の生徒が科学技術のコンテストで受賞し世界大会へ
附属高等学校天王寺校舎の生徒が科学技術のコンテストで受賞し世界大会へ
附属高等学校天王寺校舎の2年生の中島里菜さんが、2021年12月11日(土)、12日(日)にオンラインで行われた最終審査を経て、JSEC(*1)の日本ガイシ賞を受賞しました。JSECは、「科学のオリンピック」とも称される世界最大級の科学技術コンテストであるISEF(*2)に日本から出場することのできる提携フェアの一つです。
受賞した中島さんは神戸大学が行うグローバルサイエンスキャンパスROOTプログラム(*3)に参加し、同大の先生の指導を受け、研究に取り組みました。研究テーマは「水中を落下する2つの液滴が相互に与える影響」で、水の入った水槽に食紅で色を付けた水滴を2滴連続で落として、これらの水滴の振る舞いを明らかにしようというもの。着色した赤い水滴は水中を落下しながら広がっていき、その直後にもう1滴赤い水滴を落とすと、1滴目が広がったところに2滴目が到達します。シリンジで1滴1滴正確に水滴を落とし、その動きを精密に800回以上観察するという、精密さと根気を必要とするこの実験について、中島さんは「水滴の振る舞いを見るのが楽しく、大変でしたが、特に苦にはならなかった」と話しました。
審査員からは「1つの液滴の落下の様子は古くから知られている現象だが、2つ目が1つ目のリングをくぐった後、分裂することまで調べた研究はほかに知らない。大変興味深い」と評価されました。
同校の糠野順一副校長は、「この成果は今後どのような分野に応用されていくかはまだわかりませんが、物理、化学、生物、工業分野から環境分野まで多くの分野に幅広く貢献するのではないかと考えます。彼女はさらに研究を深めていきたいと言っています。今後が非常に楽しみです」と展望を述べました。
なお、今回の受賞でISEFへの出場も内定し、5月には日本代表として国際舞台のコンテストに臨む予定です。
*2 ISEF(International Science and Engineering Fair)は、「国際学生科学技術フェア」などと和訳され、世界75以上の国と地域の約700万人から選ばれた約1700人の高校生が自分たちの研究を披露しあう科学研究コンテスト。半世紀以上も続いている伝統あるフェアで、毎年5月にアメリカの都市で開催される。
*3 ROOTプログラムは、国立研究開発法人科学技術振興機構のサポートのもと、科学の分野で強い好奇心?探求心を持った高校生等が、将来国際的に活躍できる科学者や技術者をめざして大きく成長してゆくための教育プログラム。
実験をする中島さん
左1枚が横から、右4枚が上から見た水滴の振る舞い
(附属高等学校天王寺校舎)